超進学校の野球観を学ぼう『弱くても勝てます-開成高校野球部のセオリー-』

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本屋で平積みになっていて気になって買っていた本、『弱くても勝てます-開成高校野球部のセオリー-』をようやく読みました。

 

本書は、超進学校として知られる開成高等学校の硬式野球部が甲子園大会に出場するまでの道のりを記録しようとしたものです。いまだ出場には至っておりませんが、早ければ来年にも出場を果たす可能性もなきにしもあらずという期待を込めて、ここに途中経過として出版する次第です

という文章にも、素直に興味を感じました。

いやー、しかし。

読んでみての感想は、面白かったけど・・・疲れた!いや、面白いんですよ。すんごく面白いんですけどね。

ちょっと感想交じりに時系列で説明していきましょうか。最初の数十ページは普通だったんです。副題に違わぬ、開成高校野球部のセオリーが伝わってくるようで。

#引用部分は全て、本書に登場する、開成高校野球部監督曰くの内容(またはその要約)です。

 

「一般的な野球のセオリーは、拮抗する高いレベルのチーム同士が対戦する際に通用するものなんです。同じことをしていたらウチは絶対に勝てない。普通にやったら勝てるわけがないんです」

(中略)

「高校野球というと、甲子園常連校の野球を想像すると思うんですが、彼らは小学校の頃からシニアチームで活躍していた子供たちを集めて専用グラウンドなどがととのった環境で毎日練習している。ある意味、異常な世界な世界なんです。都内の大抵の高校はウチと同じ。うちの方が普通といえるんです。常連校レベルのチーム同士が対戦するのであれば、『チーム一丸となる』、『一生懸命やる』、『気合を入れる』などという精神面での指導も有効かもしれませんが、これぐらい力の差があると、精神面などではとてもカバーできません」

「例えば打順です。一般的には1番に足の速い選手、2番はバントなど小技ができる選手、そして3番4番5番に強打者を並べます。要するに、1番に出塁させて確実に点を取るというセオリーですが、うちには通用ません。そこで確実に1点取っても、その裏の攻撃で10点取られてしまうからです。(中略)このセオリーには『相手の攻撃を押さえられる守備力がある』という前提が隠されているんです。我々のチームにはそれがない。ですから、『10点取られる』という前提で一気に15点取る打順を考えなければいけないんです」

 

なるほど、確かに、高校野球界で言えば開成が普通なの、分かる。そして、野球界で常識ともいえる、「4番に強打者」の違和感も強く同意。なんだか開成っぽいぞ。面白いぞ!・・・と、ここでおそらく読者の皆さまが疑問に持つであろう、

>>『10点取られる』という前提で一気に15点取る打順

↑これなんですけど・・・、なんというか・・・いや、これは引用したほうが早いか。

 

「1番から強い打球を打てる可能性のある選手です。2番に最も打てる強打者を置いて、3番4番5番6番までそこそこ打てる選手を並べる。こうするとかなり圧迫感がありますから。」

 

 

「(下位打線が出塁すれば、強豪校といえども開いては高校生ですから)我々のようなチームに打たれれば浮き足立ちますよ。そしてショックを受けているところに・・・(中略)ドサクサに紛れて勝っちゃうんです

 

ど、ドサクサ?!相手の攻撃を押さえられる守備がないのに、本当にドサクサに紛れて勝てるんですかと思った著者が質問したところ、監督様の回答はこちら。

「守備というのは案外、差が出ないんですよ。すごく練習して上手くなってもエラーすることはあります。逆に、下手でも地道に処理できることもある。1試合で各ポジションの選手が処理する打球は大体3~8個。そのうち猛烈な守備練習の成果が活かされるような難しい打球は1つあるかないかです。我々はそのために少ない練習時間を割くわけにはいかないんです。」

 

おおー、これぞ開成ウェイ。「難しい打球の守備は捨てちゃえばいいんだ。10点取られるつもりで守備にあたるから多少のエラーでは動揺しないんだ」、と。とても潔いし、なんだか理論も明確で開成っぽいぞ。

・・・と、ここまでが大体最初の20ページ。ここからなんです。疲れが出てくるのは。正直、これ以上、引用するのも気が引けちゃうので、何がどう疲れたのかを少しだけ。

例えば、野球界においてピッチャーって1つの花形ポジションじゃないですか。ところが開成ってそうじゃないというんです。

なぜか。

ピッチャーというのは、野球の試合に勝つ/負ける・・・という以前に試合を成立させる必要があるから。まずは試合を成立させるというマナーを守らなきゃいけないから。

・・・おお、まずは試合を成立させるというマナー・・・

伝わりますかね、この度胆を抜かれる理論というか、野球観。

非常に新鮮でしょ?でもねー、疲れるんですよ。説明が難しいのですけど。ただ、それらも含めて開成高校野球部だとは思うんですけどね。

念の為もう1回言いますが、上記の引用、全て開始20ページくらいまでの内容で、まだまだ序盤ですからね。気になる方、是非、一度読んでみてください。

<関連本>

ちなみにちょいと違いますが、理論だった野球といえば、本丸はこちらの本でしょう。

マネーボール

 

砂の栄冠

最近の高校野球系漫画だとせいぽんの一番のお気に入りはこちら。

 

ほんだらのー!

Seipon

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…と書くと真面目なサイトのようですが、カジュアルな子育てネタを自己満足的に発信するサイトです。子育てネタ以外も混じることがありますが、ご容赦を!
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