日本に”帝国”企業は存在するか-『企業が帝国化する』松井博-

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せいぽんは、2002年から2009年まで米国アップル本社に勤務、その後『僕がアップルで学んだこと』の著者となった、松井博さんの新刊、『企業が「帝国化」する』、を読みました。

 

題名がなんともキャッチーですよね。昔、会社の上司が、「マイクロソフトの売上は確か先進国のどっかの予算と一緒だったような」とかって言ってたのを思い出しました。

同書の中では、”帝国”とは、

(1)ビジネスの在り方を根底から変えて、自分たちの利益最大化にとって都合良くし(Ex.アップルのiTunesストア)

(2)一度手を出すとやめられなくなるような、魅力的な製品やサービスを提供し(Ex.Googleの検索サービスや、アップルのiPhone)

(3)業界の食物連鎖の頂点に君臨し、巨大な影響力を持つ企業

と定義されています。実際に本の中で取り上げられている、”帝国”企業は、アップルの他、マクドナルドやGoogle、エクソンモービル、コカ・コーラ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、P&G、ネスレなどですが、今だと例えばAmazonやユーザが10億人に迫るFacebookもそれに当てはまるでしょう。サムスンなんて帝国の匂いぷんぷんですよね。

さて。ここで敢えて脱線。

日本において上記のような定義で、「”帝国”があるか?」と聞かれたら、皆さん、どう答えます?

正直、せいぽん、思い浮かばなかったんですよね。

いや、(2)は沢山あるんですよ。大戸屋のご飯も美味しいし、ファーストリテイリングのヒートテックも温かい。でも、(1)って、なかなか無いよ。就職なんちゃらランキングでよく出てくる商社とかも違うと思うんですよね。なんというか、これも(1)の、「自分たちの利益最大化にとって都合良く・・・」が感じられない気がする(良いことなんですけどね、多分、これ。)。

世界レベルで考えて、この企業は帝国かもな、とふと思ったのは、最近のせいぽん一家御用達のディズニー様ですが、これだって、(1)の「自分たちの利益最大化にとって都合良く」観点でいうと、なんというか、まだ優しいような気がするんですよね。あのディズニーランドだって、楽しむための値段がどんどん上がっているとかいっても、でも、(1)の要素はそんなに感じないでしょ?

なーんてことを考えていくと、「そうか、世の中の企業はみんな優しいんだな」なんてボケーっと考えてしまいましたよ。

ちなみに、本書の中では、帝国化に成功している日本企業に付いて、次のように言及されていて、ヘーって思います。

いまのところ、帝国化に成功している日本企業はあまりありませんが、商社、自動車メーカー、あるいはインフラ事業を持つ日立、東芝など、国外で健闘している企業は少なくありません。

(中略)私が注目しているのはトヨタ自動車です。トヨタはすでに世界最大の自動車メーカーですが、その高い品質とハイブリッドカーの代名詞となった「プリウス」の存在で、ガソリン高が続く中、死角なしといった様相です。電機自動車では出遅れた感があったものの2010年にはテスラ・モーターズとの提携を発表。45億円を出資し、電気自動車の共同開発をするなどして、次世代の基盤を着々と固めつつあります。

本書では、こういった私設帝国化した企業が、どういうふうにビジネスの仕組みを作って帝国足り得ているか、彼らの弱点は何か、私設企業が蔓延る中どういうふうに対応していけばいいか、という点が書かれています。

尚、この本を読み進めた当時、せいぽんは「帝国帝国、といったって一つの企業に過ぎないじゃん」と思っていましたが、改めて考えて合点がいったのは、世界史の中の帝国主義国家の在り方、特に奴隷制の活用です。アップルという帝国の中でごく一部の人が仕組みを作り、その中で働く大半の低賃金労働者(よくニュースで出てくるアップルのiPhoneの受託製造企業の過酷な労働環境は、まさに奴隷労働、搾取そのものなんじゃないか、と思ったんですよね。社畜なんてまだまだ可愛いもんですな、はい。

いろいろ考えさせられます。

ところで、、、

この本を読んで、せいぽんが一番「おおー、そうなのか?!」、と思ったのは実は帝国系企業の話とは全く別のところだったりします。次回のエントリではそのあたりを触れたいと思うです。

ほんだらのー!

Seipon

ikuzine”は、”イクジン”と読んで、その由来は、ご想像の通り、「育児」。ikuji + magazine = ikuzine、と名付けました。
…と書くと真面目なサイトのようですが、カジュアルな子育てネタを自己満足的に発信するサイトです。子育てネタ以外も混じることがありますが、ご容赦を!
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